社畜の皆さん、

ユニリーバ・ジャパンが導入している“WAA”という制度をご存知ですか?この制度はホントにすごくて、言うなれば「スーパーフレックス制度」です。

ざっくりいうと、社員は、いつどこで働いてもOK。でも結果は出してね!という制度。

すげー。まじすげー。

結構順調なようで、3月には社外向けの説明会を開くなどしているし、朝日新聞で結構取り上げられています。

関連記事1:(けいざい+)ユニリーバの「WAA」:上 勤務、いつでもどこでも

関連記事2:(けいざい+)ユニリーバの「WAA」:下 柔軟な働き方、他社とシェア

今回は、そんなすげー制度を紹介します。

 

ユニリーバ・ジャパンがどういう会社かおさらい

まずは、WAAを打ち出したユニリーバ・ジャパンがどういう企業なのか、簡単におさらいです。説明不要化もしれませんが、外資系企業で、こういう感じの製品を扱っている会社です。

引用元:ユニリーバ・ジャパン | 会社案内資料より

一家に一製品は、必ずあるんじゃないかというレベルですよね。うちにもクノールカップスープありますよ。

ユニリーバ・ジャパン自体は、社員数500人。大企業ですが、そんなに規模が大きいわけではないですね。ですが、ユニリーバ全体に目を向けると、従業員数17万人!売上高500億ユーロ!!ウルトラ大企業ですね!!!

 

ユニリーバの企業戦略「サステナビリティ」

そんなユニリーバの企業戦略がすごいんです。「サステナビリティ」というものです。ユニリーバの公式サイトを読み漁ると、いたるところに、この「サステナビリティ」という単語。ゲシュタルト崩壊しました。

サステナビリティは、「持続可能性」などと訳されます。これって大して特別なことを言っているわけではありません。ビジネスの基本ともいえる考え方でしょう。

ですが、ユニリーバは、サステナビリティをいかなる企業活動においても、中心に据えるという戦略を打ち出しました。そして、「よりサステナブルに」という意識を大切にしています。

つまり常に事業の継続性を考えていけば、自然と企業として成長もしていくというわけです。ユニリーバのすごいところは、企業活動の基本原理であるサステナビリティを、うまく売り上げに昇華したというところなんでしょう。

 

継続性を大切にする企業が生んだすごい人事制度”WAA”

で、そんな継続性を大切にするユニリーバが生み出した、新しい働き方の形が、WAAなのです。つまり、企業の継続発展には、このWAAが必要だと言っているのと同じです。

では、ようやくですが、WAAがどんな制度なのか見てみましょう。

新人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)は、働く場所・時間を社員が自由に選べる制度です。

  • 上司に申請すれば、理由を問わず、会社以外の場所(自宅、カフェ、図書館など)でも勤務できます。
  • 平日の6時~21時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決められます*1。
  • 全社員が対象で*2、期間や日数の制限はありません

従来の在宅勤務制度(2011年~)やフレックスタイム制度(2005年~)を見直し、新たに「WAA」を導入することで、働き方の多様性を高め、社員一人ひとりが自分の能力を最大限発揮できるよう支援していきます。また、成果につながらない時間を減らし、業務効率の改善を図ります。これにより、生産性を高め、企業として持続的成長を目指します

*1 1日の標準労働時間は7時間35分、1ヶ月の標準勤務時間=標準労働時間×所定労働日数とする
*2 工場、お客様相談室などの部署を除く。

引用元:ユニリーバ・ジャパン 2016年6月20日 プレスリリースより

いやーすごい制度です。【働き方の例】の左の保育園に通う子供がいる社員の場合は、わかりますよ。従来的です。でも右。

体を動かすのが好きな社員の例がすごくないですか?ランニングしたいからって、仕事の時間を変えてるんです。

なんだこれって感じです。いいなあ。

ところで、一見すると常識外れのこの制度。なぜうまくいってるんでしょうか。

 

WAAがうまくいっている理由は?

ちょっと考察してみます。

 

トップのコミット

島田さんは、同社での働き方改革成功の秘訣として「トップのコミットメント」を挙げました。また、「日本人は問題解決からやることは得意。でも、それだけではなく、『成し遂げたいこと、作りたい世界』(ビジョン)に向かってみんなで作っていくことが必要」とも。

引用元:くらしと仕事 | ユニリーバ「WAA」で変わった社員の働き方、その成功のカギとは?より

トップのコミットメント。最大の理由はこれですよね。いくらWAAが自由な制度だとしても、いくらユニリーバが外資系だとしても、なんだかんだ結局、日本のサラリーマンにとって、いつだって強いのはトップダウンです。トップがこうだと言ったら、それに従うしかないんですよね。

トップが「死ぬほど働け―!」って言ったら、死ぬほど働かないといけません。でもトップが「上手く働けー!」って言ったら、社員はいかに効率よく仕事をするべきなのか考えないといけません。

だって、トップの命令だもん。従わないと給料もらえないもん。

やっぱ、長時間労働をしてる人を、トップが怒らないといけないんですよ。「何そんな効率の悪いことやってんだ!上手くやらんかい!」って。まあ現実は、大企業のトップたちが長時間労働を認めるという残念な結果ですけどね。

 

仕事中心からの解放が、仕事効率化に繋がる

さてWAAのいいところは、導入による生産性の向上です。なぜ生産性が上がるのかというと、それは、仕事中心からの解放が要因だと思います。

サラリーマンって、基本的には仕事中心で、仕事がない時間に合わせて、仕事以外の余暇を楽しむという考え方になりますよね。それって、仕事が縛りになっていて、もはや、人生の足かせでしかなくなると思いませんか?もちろん、お金が欲しいから働きはするんだけど。

ところが、このWAAは一日の中で、仕事と仕事以外が同列です。むしろ、仕事以外がメインと言っても過言ではありません。フィットネスジムの時間に合わせて、仕事の時間を変える。

相棒の再放送(うちの地方だけかな)の時間は仕事をしない。とか、そんな風に仕事以外を一日のメインに据えて、そこに仕事の方を合わせることができます。

人生が楽しくなりますよね~仕事中心から、余暇中心にあるんですから。この生活の中には、「仕事が終わらなかったから、ジムに行けなかった」とかがあり得なくなります。だってジムに行くことがメインだから。

でも、仕事は待ったなし。じゃあどうなるかというと、仕事をいかに早く終わらせるか?以下にメインディッシュを楽しむか?に脳内がシフトチェンジします。

長時間労働至上主義から、効率至上主義へ。上手くいくに決まってますね。これ。

 

「俺かっけー」を会社が演出してくれる

とりあえず、カフェで仕事って、まじでかっこいいです。いかにもサラリーマン的な発想ですみません。

でも出張とかで、カフェでメールチェックとかしてたら「カフェで仕事する俺かっけー」状態になって、メールとかめちゃくちゃ捌けた経験が、何度かあるんです。

なので、オフィスでは何かやる気出ないけど、スタバでノマドワーカーごっこさせたら、めちゃくちゃ効率上がった!みたいになると思うんです。

 

社員が会社を好きになる

極め付けはこれです。

今、もしもユニリーバで働いてる人に出会ったら、僕は「え?ユニリーバ?自由に仕事できるんでしょ?いいなあ~うらやましい!」って言っちゃいます。

言われた人は、嬉しいだろうなあ。優越感ありまくり。これって、ある種のステータスですよ。

もし、うちの会社がWAAを採用したら、確実に、会社のことを好きになります

で、会社が、その会社を好きな社員だらけになったら、その会社がうまくいかないわけないですよね。みんな、身を粉にして働きますよ。もはや進んでサービス残業をしてしまうかもしれません。

やらされ感ではなく、心から働きたい!って環境をどうやって作るか。WAAは、そのヒントっていうかむしろ、答えなのかもしれません。

 

最後に:WAAを導入!ではなく、WAAが生まれたバックグラウンドを大切にしよう

最後に、僕が言いたいのは、「みんなでWAAを導入しようぜ!」ではなく、「企業を成長させられる働き方を、もっと真剣に考えようぜ!」ということです。

ユニリーバ・ジャパンが打ち出したWAAは、働き方改革が目的ではありません。あくまでも自社成長という、目的を達成する方法を考えた結果、手段として働き方改革が必要だったのです。

働き方改革という言葉が飛び出て久しいですが、企業の間では、「働き方改革をすること」が目的になってしまってしるように感じます。

そこには、働き方改革をすることで、企業の成長を止めてしまうのではないか?というような懸念が前提にあります。

とにかくがむしゃらに働き、一つの時代を切り開いてきた先代がいたからこそ、日本企業が発展してきたことはわかります。

現在、企業のトップにいる人たちは、そんな中でも抜きんでて頑張ってきた人たちでしょう。すごいと思いますが、もうそんな古いやり方では通用しません。

時代は超スピードで変わってるんだから、社員の働き方をめっちゃ頑張って変えないと、付いていけないです。だから、働き方改革なんです。変えないと、まじで潰れるけど、いいのかな?

WAAの社外説明会に参加した人たちには、ぜひ、自社でどうWAAを適用するのか?と考えるのではなく(もちろんそれも必要ですが)、WAAみたいな発想が生まれるには、何をすれば良いか?をぜひ考えてもらいたいですね。